これからの5Sを提案する「5S活動チーム」

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5S活動を続ける秘訣!

                                                                                                       

5S活動を続ける秘訣!

 5S活動の不可欠な要素として、「全員参加」「自発的行動」を説明しました。更に、5S活動で扱うテーマは、会社の事業計画の項目としてあがってこない現場の小さな改善であり、5S活動はその小改善を全員で実行し、自分たちの仕事がスムーズに進められるような、大きな成果を得ようという活動です。

 

1.5S活動の仕事化

 5S活動をやっているといっても、管理・監督者を含め積極的に実施している企業から、言われた時だけしぶしぶ整理整頓する企業までかなりのギャップがあります。しかし、このような状態の組織を、5S活動が続かない原因を明らかにして対策を実施し、継続可能な状態に持っていくにはかなりの困難が予想されます。

5Sをうまく進め定着させるためには何をすれば良いかについても見てきました。定着させるために重要なことは、先ず、5Sも日常業務と同じように仕事の一部として考え行動することが必要です。仕事は計画をたて効果がないと実施しません。これと同じように5S活動においても次のように仕事化することが必要になります。仕事の中では、先ずモノの5Sを、次に仕組みについて考えましょう。次の①~④を参考に今できる5Sを実施しましょう。

 

  • 自分のために、職場のために役立つことをイメージする

成果に結びつく5Sを行うには、「どのような効果を得るのか」「そのため何をどうするのか」をイメージ(計画)することが大事です。

  • イメージしたことを実行するうえで障害になるものは、事前にすべて洗い出して対応策を準備しておく。 

 

  • 徹底しないと効果はでないのは仕事と同じ

清掃を徹底するとはきれいに掃除するだけでなく、清潔な状態を維持するために工夫が必要です。ゴミの発生源の除去や衛生水準の向上、清掃時間の短縮などを実現することです。

  • 積極的な業務改善で5S改善手法を取り入れる

賞味期限管理の改善において、不要なモノ(期限の過ぎた食材)は食品庫に置かないという「整理」の実施、アラート表示、先入れ先出し、受発注の見直し、材庫管理の見直し、問題点を抽出し対策案を決め、皆で守る。

また、5S活動の組織が会社の組織とは別になっており、しかも上司が5S活動に無関心ではうまくいきません。

 

・・・5S活動が定着している会社と定着していない会社

① 5S活動が定着している会社

5S活動が継続し効果が出ている会社は、過去の経営危機を乗り越えてきた会社や、トップの強い熱意で推進している会社など様々です。いずれの会社も全員で課題を共有し社員の意識改革が実践できた会社です。さらにこれらの会社に共通することとして、5S活動に不可欠な自発的な行動と全員参加ができる社員の意思の尊重と社員が5S活動を実践できる職場環境が会社ぐるみで構築されています。

② 5S活動が定着していない会社

多くの企業で長い期間に渡って5S活動に取り組んでいても、なかなか定着しないため苦労している方も少なくありません。また、一時的に5S活動が盛んであった企業もいつのまにか元の状態に戻ってしまったという話もよく聞きます。「徹底して5S活動をやろう」という掛け声だけでは継続できるものではないことは、5S事務局や5S活動に携わっている多くの方がいやというほど経験しているのではないでしょうか。

多くの場合、先ず、職場を整理・整頓してきれいな職場にしようという美化運動から入るため、ほぼ満足できるきれいな職場になった場合、次の段階へステップアップできず、定着しない場合が多くあります。掃除をすることが目的となっていた場合に起こりやすい落とし穴です。このように、何を改善して仕事をやりやすくするのかという具体的な目的がない場合は、自分の意志ではなく、指示に従ってイヤイヤやっている。あるいは、5Sチェックで指摘されたところだけやるようになります。

 

 

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2.現場の5S活動チーム

5S活動は全員参加による会社全体の活動です。管理・監督者だけでなく社員全員の活動であり、決して現場の若い人たちだけで行うものではありません。会社には、営業、総務、経理、製造など、業種や扱う商品によって組織も色々です。更に、そこで働く従業員においても力量、年齢などに加えパート社員による勤務形態もバラバラになっています。

 

・・・現場にできないことがある

① 会社の組織的な理由で現場ではできないこと

現場とは会社の本業において付加価値を作り出している職場です。製造業では設備や機械を使って製品を作っています。サービス業においては色々な商品を並べお客様に買ってもらっています。このように会社の利益を稼いでいるところです。ここで更に現場の作業について製造業の事例を見てみると、例えば重量物を扱う現場で作業する人が落下物によるケガを防ぐために履く安全靴の数が少なかったら、忙しい時期には全員が履くことができないため作業効率が悪くならないように、人数分の安全靴を用意するという配慮は管理者でないとできません。また、決められたルールを正しく守るということについても、「決められたとおりに実行する」ように指導することも管理者の役割です。

 

② 業界や社会的な背景により現場でできないこと

業種によっては職場ではチームメンバーの中から管理者を選ぶことができない場合があります。例えば、販売員の社員一人とパート社員数名から構成されている職場においては、毎日の業務に振り回されているというのが実態です。このような場合、会社が5S活動を宣言していた場合、管理部門からリーダーを派遣して推進することもあります。このような場合、強制的に推進することによって、メンバーのやる気をなくさないように注意が必要です。
特に、パート社員のように勤務時間が異なる社員に対しては、「自ら進んで参加する気持ち」になってもらうためにどのような方法が必要かひとり一人について気配りする必要があります。

 

③ 業界の繁忙期で活動に波があるため現場でできないこと

繁忙期はほとんどの業界で多少はあるものです。サービス業では、旅行業界の繁忙期は春・夏・冬、引っ越し業界や保険業界は3月、飲料業界は夏や冬であると言われています。また、年度初めや年度末などは一般的に忙しい時期ですが、新店舗のオープンが重なる時期や、短納期で計画されたプロジェクトなどでは休みが取れない時期があります。このような時期は1年をとおして特に忙しい時期ですので、日常業務以外のことを実施することができません。したがって、5S活動もこのような時期は小規模になります。年間をとおしてメリハリのある5S活動が必要になります。

 

5S活動を推進するに当たって、会社のどの部門が何を担当するのかについては会社の歴史や組織の体制によって多少違いますが、多くは5S委員会などを立ち上げて5S活動が実施されています。どちらが良い、悪いということではなく、個別の会社の都合によって適切に運用されることが重要です。

小規模の営業所や店舗の現場にはオペレーターのみ配置している会社もあります。そのような会社においては、清潔やしつけの担当については本社の管理部門が担当するなど柔軟に考えましょう。

 

 

現場は毎日の生産により会社の利益を稼いでいる第一線の職場です。5S活動のやり方が分からない、ルールを改善したいなどというようになっても、規格書や基準書の改訂などのルールを変更することができない場合は、管理部門もチームメンバーに加えるなど柔軟に考え全員参加の活動をしましょう。

 

 

 

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